都市プランニング系

都市プランニング系の研究活動

 本学科の都市プランニング系は、「空間情報・伝達研究室」「空間分析研究室」「都市デザイン研究室」「景観研究室」の4研究室で構成されており、地図・空間表現学、都市・景観計画、都市・地域計画学、空間分析、リモートセンシング、都市設計、都市デザイン工学などの研究分野で、それぞれ最先端の研究を行っています。

 本学科の4年生は、全10研究室のいずれかの研究室に配属され、それぞれの研究室の教職員および大学院生とともに、大学4年間の集大成である「卒業研究」に着手します。卒業研究の成果は「卒業論文」としてまとめられ、毎年2月に行われる卒業論文審査会において、研究成果に関するプレゼンテーションおよび審査が行われます。また、特に優れた研究成果は、土木学会などの学協会が主催する対外的な学会で国内外に公表されています。

空間情報・伝達研究室

森田 喬 (Takashi MORITA)教授 Ph.D.

■専門分野:地図・空間表現学、都市・景観計画
■担当講義:地図とGIS、デザインスタジオ1、測量学、計画の可視化、総合演習、空間情報デザイン(大学院)、比較都市環境デザイン(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)東京のデジタル都市アトラスの構築
(2)ユビキタス・マッピングに関する概念構築
(3)都市空間表現の技法

都市の「空間や景観」をマッピングする

 当研究室の研究上の基本スタイルの特徴は、都市空間の計画上の各種課題に対して空間情報システムを用いて接近を試みることでしょう。都市計画とは地図を描くことと言ってもよいぐらいに地図とは切っても切れない関係にありますが、その地図がデジタル化・システム化されることによって操作性が飛躍的に向上しています。立体表現や時間経過も考慮した表現も可能となり、環境システムのみならず、景観や歴史・文化も扱えるようになってきています。

 また、課題の多様化と同時に、空間情報がデジタル化されることによってデータ入力、蓄積・検索、分析、表現といったシステム構築・利用上の新たな手法的も出現しています。これらの基礎技術について学び研究をすすめます。

 2004年度から全学的な研究組織である「エコ地域デザイン研究所」が設置され、エコロジーと歴史をふまえた東京の再生計画を検討しています。当研究室もそれに参画しており、地図情報学という研究単位を設定し、東京の地図・景観表現について研究するとともに、研究全体にまたがって電子都市アトラスとしてまとめる方策を検討しています。 

空間情報の重ね合わせ

関東平野の河川と標高


空間分析研究室

宮下 清栄(Kiyoe MIYASHITA)教授 博士(工学)

■専門分野:都市・地域計画学、空間分析、リモートセンシング
■担当講義:プログラミング及演習、タウンマネジメント、測量実習、測量学演習、都市調査解析、交通計画、総合演習、都市交通マネジメント(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)空間評価手法の構築,環境等の便益評価
(2)自然環境を考慮した縮小都市時代の地域再生
(3)3次元バーチャルリアリティによる市民参加型まちづくり手法の構築
(4)歩いて暮らせるまちづくり

環境共生型都市の構築を目指して

 人口減少、環境制約及び財政制約の時代の新しい都市づくりの方向性として、都市的土地利用の整序・集約化と自然環境の再生を目指し、持続可能な都市形成の構築について研究しています。具体的には人工衛星データを用いてヒートアイランドや生物多様性を考慮した、緑地や建物の配置を検討し再生地域の選定。次により詳細な検討のために各種GISデータを用いた都市空間評価指標の構築と地区レベルの空間分析を行っています。

 また、今後のまちづくりでは複数の代替案を作成し戦略的な計画アセスメントが必要になります。そこで、都市再生イメージを共有し住民参画を促すために、3次元バーチャルリアリティによる代替案の作成と評価手法の検討を行っています。

正規化植生指数(NDVI)
(白色ほど植生の活性度が高い)

郊外地域の自然環境を考慮した公共交通優先型再生地区の選定


都市デザイン研究室

高見 公雄(Kimio TAKAMI)教授 芸術学修士

■専門分野:都市設計、都市デザイン工学
■担当講義:図学及演習、都市デザイン、公共空間デザイン及演習、デザインスタジオ1、国土・地域概論、デザインスタジオ2、街づくり、総合演習、サステイナブル都市デザイン(大学院)、地域・都市再生概論(大学院)
■主な研究テーマ:
 都市デザインが目指すべき方向とその実施方法に関する研究

美しく、ふさわしいまちづくり

 都市に集中する人口の受け皿として、量的な充足に追われてきたまちづくりは、大きな変革点を迎えています。今後、総人口が減少へと転じていく中で、これまで造ってきた都市を適切な規模に集約し、その質を向上させていくことが求められています。美しく快適な都市を造るための取り組みは全国の市町村などで続けられてきてはいますが、その目標や方法は未だ不透明と言えます。

 当研究室では、都市デザインを広い概念で捉え、気候風土や地域の持つ地形的要素等と都市基盤、土地利用の調和など、その場所にふさわしく、そして美しいまちづくりの内容と方法について研究しています。

帯広駅周辺地区

景観法パンフレット原画
(作画:福田健也)


景観研究室

福井 恒明(Tsuneaki FUKUI)教授 博士(工学)

■専門分野:景観工学、都市景観、景観行政、社会基盤構造物・空間のデザイン
■担当講義:図学及演習、都市計画法と政策、橋のデザイン、デザインスタジオ2、総合演習、物理1、物理演習、景観デザイン概論(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)都市・地区のイメージ形成に関する研究
(2)景観まちづくりの制度や体制に関する研究
(3)土木史・都市史研究
(4)都市の持続再生に関する研究

都市戦略として景観を考える

 拡大・成長の時代が終わり、都市や地域の姿が、それを支える仕組みとともに危機に瀕している現在、都市計画や公共事業に対するニーズは都市の活力の維持や新たな魅力の創出、顕在化へと向いています。これに対応するには、個別の都市や地域のありようを丁寧に理解すると同時に、その特質を活かす戦略や方法を総合的に考える視点が必要です。

 景観研究室ではそうした問題意識に基づき、公共空間や構造物のデザイン、景観計画や関連制度などのプランニング・マネジメント、景観の認識・評価・歴史など、良好な地域景観の創出・保全の考え方や手法について研究しています。

自転車移動中の坂道認識に関する研究─自転車移動がもたらす新たな地域認識とは

街歩き体験の意味に関する研究─都市環境における生活のありようを探る