施設デザイン系

施設デザイン系の研究活動

 本学科の施設デザイン系は、「鋼構造研究室」「コンクリート材料研究室」「複合構造研究室」の3研究室で構成されており、鋼構造学、メンテナンス工学、コンクリート材料学、構造物診断技術などの研究分野で、それぞれ最先端の研究を行っています。

 本学科の4年生は、全10研究室のいずれかの研究室に配属され、それぞれの研究室の教職員および大学院生とともに、大学4年間の集大成である「卒業研究」に着手します。卒業研究の成果は「卒業論文」としてまとめられ、毎年2月に行われる卒業論文審査会において、研究成果に関するプレゼンテーションおよび審査が行われます。また、特に優れた研究成果は、土木学会などの学協会が主催する対外的な学会で国内外に公表されています。

鋼構造研究室

森 猛 (Takeshi MORI)教授 工学博士

■専門分野:鋼構造学、メンテナンス工学
■担当講義:構造力学1及演習、鋼構造デザイン、工学実験1、総合演習、工業力学及演習、鋼構造の疲労(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)グラインダー仕上げによる溶接継手の疲労強度改善効果
(2)腐食部材の耐力(引張、圧縮、曲げ、疲労)評価方法
(3)鋼製橋脚隅角部・補修部の疲労寿命評価法
(4)高力ボルト摩擦接合継手の耐力(すべり、降伏)評価

安全な橋を作り、守る

 現在大きな問題となっている地球温暖化防止対策のーつに、構造物の長寿命化があります。当研究室では、橋を中心に、鋼構造物の寿命を支配する劣化現象である金属疲労を主な対象として、疲労設計法、溶接継手の疲労強度とその改善法、疲労き裂の補修、既設構造物の耐力評価、橋梁のモニタリング、維持管理システムの合理化などについて研究しています。以下に最近取り組んでいる研究課題のいくつかを紹介します。

●ボルト締めストップホール法で補修した疲労損傷溶接継手部の疲労強度評価法:疲労亀裂の先端にストップホールと呼ばれる円孔を開けて、さらにそれを高力ボルトで締め付ける補修方法です。このような補修により、疲労損傷を受ける前よりもさらに高い疲労耐久性を実現できます。

●鋼桁橋梁の主桁・横桁交差部の疲労強度評価方法:この部位は、主桁からの力と横桁からの力が作用する2軸応力場になるとともに、せん断応力の影響で応力の作用方向が変化します。このような複雑な応力場での疲労強度評価法の確立を目指しています。

工夫を重ねて製作した2軸疲労試験機

溶接継手部の応力の流れ


コンクリート材料研究室

溝渕 利明(Toshiaki MIZOBUCHI)教授 博士(工学)

■専門分野:コンクリート材料学、構造物診断技術
■担当講義:建設材料学基礎、コンクリート工学、コンクリート技術、工学実験1、RC構造デザイン実習、検査技術、メンテナンス工学、総合演習、耐久性力学(大学院)、材料科学概論(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)コンクリート硬化時の体積変化に伴うひび割れ発生のメカニズム
(2)若材齢時のコンクリートの引張挙動に関する研究
(3)電磁波を用いた鉄筋コンクリート中の塩分量推定技術に関する研究

コンクリートの一生を考える

 コンクリート構造物は、これまでメンテナンスフリーと思われてきました。しかしながら、コンクリートは常に人の手を掛けていないと弱く脆いことが明らかとなってきています。硬化時の水和発熱によるひび割れや乾燥収縮ひび割れ、塩化物の浸透による鉄筋の腐食、火災によるコンクリートの崩壊等コンクリート構造物の寿命を縮める要因は多種多様であり、これらの原因を明らかにし、如何になくすかがコンクリートを長持ちさせる秘訣といえます。また、資源の有効利用や環境保全を前提とした材料開発も重要な課題といえます。

 当研究室では、コンクリートの収縮によるひぴ割れのメカニズムの解明やコンクリートの経年劣化の予測技術、非破壊によるコンクリート内部の診断技術、縮尺鉄筋による立体視等に関する研究を行っています。コンクリートに木の持つしなやかさ、通気性、組織の緻密さ、温かさを取り込み、日本の風土に合ったコンクリートを造っていくのが当研究室の目標です。

複合構造研究室

藤山 知加子(Chikako FUJIYAMA)教授 博士(工学)

■専門分野:鋼構造学、メンテナンス工学
■担当講義:構造力学1及演習、RC構造デザイン、工学実験1、RC構造デザイン実習、総合演習、物理1、物理演習、工業力学及演習、複合材料構造解析(大学院)
■主な研究テーマ:
(1)鋼コンクリート合成床版の損傷機構と交通疲労限界状態の照査
(2)コンクリート細孔に存在する凝縮水の圧力変動と移動のモデル化

土木構造物を支える基礎技術の開拓

 私たちの生活を支える社会インフラとしての土木構造物には、鉄やコンクリートをはじめとする様々な材料が用いられています。近年の開発された材料も含めそれらの力学的特性を実験および数値解析によって明らかにし、過酷な環境条件や複雑な外力状態を考慮した土木構造物の最適設計に関する研究を行っています。

 これまでの主要なテーマは、数値解析による橋梁鋼・コンクリート合成床板の疲労耐久性の検討と、コンクリート細孔に存在する凝縮水の圧力変動と移動をモデル化するための実験研究です。前者では、鋼材あるいはコンクリートそのものの疲労特性だけでなく、シアコネクタの形状や境界面の付着性状、作用する荷重の履歴によって破壊形態が異なることを明らかにしてきました。一方、後者では、異なる載荷速度と荷重レベルに対する、乾/湿コンクリートの力学的応答をようと試みています。コンクリート中のミクロな水の存在が持続荷重、繰返し荷重、衝撃荷重といった様々な荷重に対するマクロな応答に影響を与える可能性があるのです。これらの様々な外力を受ける構造物のすべてが研究対象です。

実験結果

解析結果