JABEEと技術士の資格

JABEE とは

 日本工学教育協会と日本工学会は、大学および文部科学省、経済産業省、経団連などの強い期待と協力の下で、国際的に通用する技術者を教育するための方策について検討し、1999 年に日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education : JABEE)を設立しました。

 JABEE は、大学を中心とする工学系の高等教育機関で実施されている教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを第三者の立場から公平に評価し、要求水準を満たしている教育プログラムを認定する非政府団体です。

 認定の目的は、技術者教育の質を高め、我国の技術者教育の国際的同等性を確保し、社会と産業の発展に寄与することです。言い換えれば、日本の大学等で学ぶ工学系学生の質的低下に歯止めをかけ、米国を中心とする欧米諸国の学生と同等レベルにブラッシュアップしようとするものです。もちろん、これは単なる認定ではなく、認定された教育プログラムを修了した学生は、わが国における最高峰の国家資格である「技術士」の受験条件に大きな優遇借置が与えられるなど、さまざまな恩恵を受けられることになります。

 JABEE の認定を受けるための審査範囲は、入試段階から卒業判定までの全ての段階に及び、目標達成に必要な学習・教育が量的に確保できているか、学生一人一人の実学習時開や学習効果等が確実に把握され、かつ基準を達成しているか等々が厳密に審査されることになります。これらの審査はJABEE によって訓練された複数の専門審査員によって大学機関はもちろん、教員と学生それぞれに対する個別面談、授業現場の視察等によって行われます。

技術士とは

 「技術士」は、国によって科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家試験です。その活動分野は、コンサルティング業務のほか、企業内における業務、公的機関への協力、行政への協力、海外支援等などがあります。産業経済、社会生活の科学技術に関するほぼ全ての分野(21の技術部門)をカバーし、先進的な活動から身近な生活にまで関わっています。

 また、本学科の卒業生は全員「技術士補」の資格が取得できますが、技術士補は将来技術士となる人材の育成を目的とした、同じく日本の国家資格です。有資格者は技術士の指導の下で、技術士補の称号を使用して技術士を補佐する技術業務を行うことができます。技術士補として4年間以上、技術士を補助する業務に就いた後に、技術士の受験資格が得られます。

 土木建築分野における実際のプロジェクトでは技術責任者が技術士でなければならず、またコンサルタント業を開業するには技術士が必要となるなど、「技術士」は技術者にとって大変価値ある資格です。本学科の卒業生には技術士の資格取得を目指すことを強く推奨しています。