研究室の活動紹介

環境問題の解決や気象災害の軽減を目指して

 近年の地球温暖化や発展途上国の近代化等によって自然環境・地球環境が大きく変化し、集中豪雨による被害の多発や環境の酸性化など、我々を取り巻く都市の環境や気候もまた大きな影響を受けることが予想されます。当研究室では、このような地球環境の問題や気象災害の問題を対象に、その影響の予測や対策の検討を行っています。

 特に最近は、大気中に物質を散布することで降水促進や豪雨抑制を目指すクラウド・シーディングに関する研究、地球温暖化の進行に伴う大気環境場や豪雨イベントの将来変化に関する研究、土地利用の変化が降水現象や熱環境・風環境に与える影響に関する研究などに力を入れています。また、江戸城外濠における水環境改善策の検討や東アジアにおける大気浮遊物質の越境汚染に関する研究など、「人類と自然環境がいかに共存するか」をテーマに、水工学(河川や水資源などを扱う学問)や水文学(水循環や水環境などを扱う学問)に関連する研究に取り組んでいます。

都市を取り巻く水循環・水環境

都市を取り巻く水循環・水環境

東アジアにおけるSO2の移流拡散

東アジアにおけるSO2の移流拡散


 当研究室の名前にある水文(循環)という言葉は、「地球規模あるいは流域規模の水の循環」を意味する言葉で、上の図はその様子を概念的に描いたものです。当研究室の研究内容は主に環境と降雨に関するものがメインになっていますが、基本的には水文循環に関わるすべての現象やプロセスが研究対象であると言えるでしょう。

 水文循環は、河川や降水といった我々の身近なところから、大気と陸面との相互作用(蒸発散)や地下水流動、水資源、大気環境、水環境などに至るまで数多くの問題と密接に関連していますが、近年は特に、地球温暖化問題や豪雨災害の多発などとの関連で注目されるようになってきました。当研究室のメンバーは、自分たちの研究が環境問題や災害対策に少しでも役に立てばという思いで研究に取り組んでいます。

研究室活動の特徴(学生による研究室紹介)

 本研究室は、私たちの生活にもっとも身近な「水」をテーマとして日々研究に取り組んでいます。近年、地球温暖化や集中豪雨に関するニュースをよく耳にしますが、私たちはこのような地球環境の問題や気象災害の問題を対象に、その影響の予測や対策の検討を行っています。具体的には、以前からドライアイスなどを散布して雨を降らせる「人工降雨」というものがありますが、散布の仕方によっては集中豪雨が抑制されることが確認されたので、どのような条件の時に抑制効果が得られるか研究しています。

 また、ヒートアイランドの改善策の検討や東アジアからの硫黄酸化物による影響の検討、江戸城外濠における水質改善策の検討を研究している学生もいます。少しでも「水」に興味のある方はいつでも研究室を訪問してください。プライベートでもみんなでテニスやフットサルをやったりしてとても仲が良い研究室です。

三浦セミナーハウスにて

三浦セミナーハウスにて

富士セミナーハウスにて

富士セミナーハウスにて


Hydrometeorology, Ecohydrology, Hydraulic Engineering

Our laboratory is aiming to assess and address global environmental issues, including global warming, urban heat island, atmospheric and hydrospheric acidification, from the perspective of hydrology, which deals with the water circulation and resources, and hydraulic engineering. We are also focusing on how to prevent or mitigate urban meteorological disasters caused by extreme weather events like torrential rains. Since the natural and global environment is rapidly changing in the recent years due to global climate change and urbanization in developing countries, our surroundings in urban life can be seriously damaged in the near future. Our laboratory is searching for adaptive measures against such situations, including how to reconstruct present urban structures and how to achieve the harmonious coexistence of man and nature.