
安全な橋を作り、守る
現在大きな問題となっている地球温暖化防止対策のーつに、構造物の長寿命化があります。当研究室では、橋を中心に、鋼構造物の寿命を支配する劣化現象である金属疲労を主な対象として、疲労設計法、溶接継手の疲労強度とその改善法、疲労き裂の補修、既設構造物の耐力評価、橋梁のモニタリング、維持管理システムの合理化などについて研究しています。以下に最近取り組んでいる研究課題のいくつかを紹介します。
●ボルト締めストップホール法で補修した疲労損傷溶接継手部の疲労強度評価法:疲労亀裂の先端にストップホールと呼ばれる円孔を開けて、さらにそれを高力ボルトで締め付ける補修方法です。このような補修により、疲労損傷を受ける前よりもさらに高い疲労耐久性を実現できます。
●鋼桁橋梁の主桁・横桁交差部の疲労強度評価方法:この部位は、主桁からの力と横桁からの力が作用する2軸応力場になるとともに、せん断応力の影響で応力の作用方向が変化します。このような複雑な応力場での疲労強度評価法の確立を目指しています。
工夫を重ねて製作した2軸疲労試験機
溶接継手部の応力の流れ