教育理念・教育目標

都市環境デザイン工学科の教育理念

 社会基盤システムの整備には、地球規模の環境保全、自然環境と共生できる都市づくり、循環型社会の構築など、多面的な課題対応が求められています。したがって、技術者は、社会基盤システムの整備が人々の生活の利便性や経済活動の活性化に果たすプラスの役割と、自然環境を損なうようなマイナスの作用を理解し、工学的な判断をする必要があります。

 本学科は、法政大学の校風である「自由と進歩」「進取の気象」を踏まえ、グローバルな視点に立った工学教育を行うことにより、社会基盤システムの計画・建設・維持管理に係る基礎的な専門知識と、それらの知識に裏付けされた問題解決能力を身に付け、市民との対話と説明が行える自立した技術者人材を育成します。

入学者受入れの方針についての目的や目標

 本学科では、組織依存型ではなく自己に対する責任感の強い人材、すなわち自分で考え、判断し、主体的に自分の運命を切り拓いていく人材、積極的に社会の進歩に寄与する自立型人材を社会に送り出すことを重視しています。

 また、グローバル化、国際化に対応できる幅広い視野と独創性、ならびに問題解決能力を持つ確かな技術者を育成することを目指し、高度な専門性と広い教養という両面を重視しながら実学の伝統を堅持する人材の育成に努めています。さらには、環境問題や大きく変貌しつつある社会情勢も考慮に入れた次世代の社会基盤のあり方などについて、的確な判断力、洞察力、問題解決能力を有する人材の育成を目標としています。

 このような観点から、本学科では、工学的な基礎学力に加えて、自然とのかかわりあいを大切にして、生活しやすい安全で安心な都市空間を築き、われわれの共通の財産として維持・管理することに深い興味を有する個性ある積極的な学生を求めています。

教育課程の編成・実施についての目的や目標

 本学科では、カリキュラムの作成に当たり、以下の目標を掲げています。なお、必修科目の多くをクラス分けによる少人数教育で実施しています。

  • 入学から卒業までの全教育期間を自然科学系基礎教育(工学基礎)、共通専門基礎教育(専門基礎)、専門応用教育の3段階に分け、それぞれを相互に連携・融合させている。
  • 工学基礎では、自然科学分野のうちの数学、物理学関連科目を専門教育に必要な基礎的素養を身につけるためのより実践的な教育を学科教員が実施する。
  • 専門基礎は、専門科目の枠組みを外し、科目相互で連携することによる、講義内容の過度な科目間重複の解消、適切な講義計画の遂行。国際的なコミュニケーション能力に不可欠な工学英語を学科独自の教育プログラムとして配置している。
  • 専門応用では、都市プラニング系、環境システム系、施設デザイン系の専門科目群として構成。これにより、さまざまな専門分野を有機的に活用できる系としての教育を実施している。

学位授与の方針についての目的や目標

 本学科では、社会との対話と説明責任の遂行が可能な人材を育成すべく、学士(工学)の学位授与にあたり以下のような能力を重視しています。

  • 地域の歴史・文化を尊重し、自然環境と共生する社会基盤の整備に貢献できる能力および技術者倫理を備えた技術者
  • 自然・人文社会・情報科学等の基礎学力・都市・地域システムを計画・設計・施工・維持管理・評価する上で必要な専門基礎学力および実際問題に活用できる能力およびコミュニケーション能力
  • 自然環境と人工環境の融和を目指した持続可能な地域社会の形成に必要な社会基盤施設を計画すると共に個々の施設をデザインする創造的な能力
  • 目的意識を持って自己スキルアップを継続的・積極的に進める意欲とさまざまな制約条件を正確に分析・理解した上で、計画的に業務を遂行する能力